寿司竜日記 2022年10月20日(木)晴れ 職人

植木の剪定の授業終了後の往訪。

ひょんなきっかけからほぼ1ヶ月間に渡り受講することになった剪定の授業だか、受講してみるとなかなかおもしろいものである。

剪定の先生によると、この仕事は先輩職人の刈った樹木や雑草の片付けからはじまるので、最初の3年間は地面を這いずるのが仕事である。単調で何の成長につながるかわかりにくい仕事であるが、この這いずっている間にその片付ける樹木の特徴、すなわちその木は固いのか柔らかいのか等を覚えるとともに先輩の技を盗むのである。どの職人の世界も大変だが、剪定の仕事も地味だが大切な修業時代があるだ。

這いずり後ようやく実際に剪定ばさみをもって剪定をやることになるのだが、ある木の剪定を覚えるためには、事前にしっかり予習をし剪定をするのが1年目、実際にその結果をみて改めて剪定をするのが2年目、そしてさらにその結果を復習して剪定を行うのが3年目となり、このサイクルを3回経験、すなわち9年経ってようやくその木の剪定で1人前とのことだ。這いずり時代から含めて、一つの仕事を覚えるのに優に10年以上掛かるのである。その職人があってこそ、樹木もきれいに成長し、人々の目を楽しませてくれるのだ。植木職人に感謝感謝である。

そして、目の前にも職人が居る。

”そこに板前”である。今夜は自分に連れが居たことと、他にもお客さんで賑わっていたためにほとんど”そこに板前”との会話はなかったが、この職人も若い頃は厳しい修行に明け暮れたに違いない。最初の3年間にどのような修行をし、さらに一人前になるために、どのような修行をしたのだろうか。その苦労に思いを馳せる。

今ではどうしようも無いだじゃれで人をあきれさせ、休みと言えば競馬に明け暮れている”そこに板前”であるが、10台の半ばから、神田に自分の店を構えるまでの間の20有余年の修業時代を今度じっくりと聞いてみることにしよう。

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