5時に電話して席を確保し、7時頃往訪。電話をしたときに係の者から「今夜は他に予約が入ってないのでゆっくり出来ますよ」と言われていたので、誰も居ないかもしれないと思っていたが、着いてみると見慣れた後ろ姿がある。
大王である。
大王は先週来たときも他にお客さんは一人だったので、「大王は先週来たときも他のお客さんは一人だったそうですね。」と事実のみ言うと「どうせ疫病神だとおもっているんでしょ」とそんなことなど全く思っていないことをずばりと当てる。さすがに鋭い大王である。
それにしても、今日もワイシャツにネクタイでばっちりきまっている。
「今日のワイシャツはオーダーメイドもので、けっこういい値段するんですよ」と珍しく自慢をする大王であるが、
「着るものは社長並みだけど、おなかはもっと社長並ね」と係の者に立派なおなかを褒められる。大好きな係の者に褒められて嬉しそうな大王。勢いがつく。
「私が中学校時代、クラスで人気投票があったんですよ。女子生徒がどの男子がよいか投票するんですけど、僕が3位だったんですよ。すごいでしょ。ただし、1位と2位は多くの投票が入ったんですけど、圧倒的に離れた3位ですけどね。」
「同級生にはその後女優になった水島裕子なんてのもいたんですよ。僕のことを好きだったと思うんですけど、こちらは歯牙にもかけなかったですね。」
「昔GOROっていう雑誌があって、今でも持ってるんですが、週間プレイボーイや平凡パンチはもとより、月刊プレイボーイなんかも結構見てましたね」
「寿司竜によく来るお客さんが、どんな仕事の顔立ちかって考えると面白いんですよ。浅●橋さんなんかは、作詞家かなあ。いや策士だな。」
などつぎつぎと速射砲のように話題が飛び出す。
今夜はバレンタインデー。寿司竜でその夜を共に過ごすカップルは残念ながら居ないようだが、大王の独演会を聞く羽目になった、素晴らしい涙のバレンタインデーである。