寿司竜日記 2023年3月7日(火)晴れ 寿司竜一代記②(中学生の頃)

今日は4時半から神田淡路町にある歯医者の日だったが、いつもは30分以上掛かる治療が数分で終わった。寿司竜開店まで時間があるので、時間つぶしに神保町のミズノに数十年ぶりに立ち寄り、5階の野球用品を見る。自分が高校時代には最高級のグローブが12800円だったが、今はいくらぐらいか見てみると大体6万円前後だ。随分高くなったものだが、あれからほぼ50年だからそんなものかもしれない。グローブをはめてみると堅い。手のひら当たりをパンパンしてみるが、グローブにボールを放り込んで徐々に柔らかくしていった昔を思い出す。バットを見てみると、値段は2万円程度だった。

なつかしく野球少年時代を思い出していたが、寿司竜の開店時間になったので、寿司竜に向かい、5時半前に到着する。

「マスター、今日は久しぶりにミズノに行ってグローブなんかを見てきましたよ。私は野球少年だったんで、随分懐かしかったですが、マスターは中学校の時は何をやっていたんですか?」

「野球ですか、いいですねぇ。昔はこどものやるスポーツって、野球しかなかったですもんね。王や長島が全盛だったし。でも、引きずりさんや、大王は若い頃はバレーボールだったらしいですよ。素人の草野球だったらしいですけどね。”ミットも無い”ってね。」「わたしは、スポーツはやってませんでしたね。かといって勉強もしてなかったけど、何もしなくてもテストではいつも真ん中ぐらいでしたね。たまに勉強するとすぐいい点採るんですけど、いい点採ると先生からカンニングしたんじゃないかと疑われて困りましたね。」「随分行く末を心配されて、いつも自宅に呼ばれてカツ丼とかご馳走になった先生が居ましたが、あれはいい先生だったな」などと中学時代を懐かしむ。

「話は変わって、もうすぐ東日本大震災の日ですが、あの日はどうしてたんですか?」

「ああ、あの日はパチンコしてましたね。で、すぐ店に戻ってきて、それから係の者と二人で歩いて帰りました。3時間かかりましたよ。」と、当時を振り返る。

係の者をいたわり、励ましながら、手をつないで東海道を下って行ったに違いないが、その姿を想像すると、目頭が熱くなる。

マスターの中学時代からはもうすぐ60年、震災からは10年以上が過ぎている。神田から北品川まで続く震災後の道を手を取り合って歩いていった二人。これからもシロアリの面倒を見ながら歩いて行く二人。果てることのない人生の道である。

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