猛暑の中、5時半前に到着。ほぼ、予約のお盆が並んでいるが、いつもの一升瓶が置いてない。
「今夜は活舌の良いよしおさんは来ないんですか?」
「予約は入ってないけどそのうち来るでしょ。」とそっけない回答であるが、以前はHさんの消息から入ったものが、最近はよしおさんの動向確認からである。
「私は明後日から10日くらい稚内に行ってきます。翌週は寿司竜がお盆休みなんで、2週間ぐらい会えません。寂しいですね。でも、マスターも現役のうちは無理かもしれませんが、いつか是非稚内まで行ってみてください!」
「稚内までは直行便があるんですか?」
「もちろんありますよ。加えて、豪華客船の飛鳥Ⅱも寄港することがあるんで、飛行機に乗れないマスターは豪華客船で行くというのもいいかもしれませんね。」
「私なんかは、飛鳥よりカズワンですよ!」
すっかり忘れていた船名であるが、豪華客船から、すぐ観光船名に関連付けるとは、すごい能力である。
「いずれにしても稚内は涼しいんでしょうね?」
「最高気温が25度ぐらいですね。最近は気温の高い日も多くなったようですが、それでも本州に比べれば涼しいです。でも、暑いといえば、高校野球の審判、あれは選手よりも過酷ですね。表も裏もなく、ずっと出っぱなしですもんね。しかもほとんどボランティアみたいなものらしいですよ。報酬はせいぜい1試合1万円とかぐらいなんですかね。でも仮にそんなもんだとしたら、こんなに暑いと審判業務を辞退する人が増えるんじゃないですかね。」
「熱い寒いぐらいで辞退するのはシロアリぐらいのもんで、審判やるような方は熱意と根性があり、いくら暑くてもしっかり責任を果たしますよ。もし、報酬が入らなかったら、掛け金も手に入りませんしね。」
と、高校野球も賭けの視点が入るマスターである。
暑い季節だろうと、寒い場所に居ようと、ギャンブルでいつも気持ちに火をつけて、熱く、暑く燃え上がるのが得意なマスターなのである。