今夜は会社の元同僚(後輩)2名と6時に待ち合わせ。少し前に到着すると、二人はすでに先着して一杯始めている。マスターと歓談して盛り上がっているが、ここ寿司竜では先輩の到着を待つなどという遠慮無用で楽しむのがよいのだ。
久しぶりの一献なので近況確認から始まるが、一人が「先日亀戸天神のフジを見に行ったんですが、今年は暑いせいかもう終わりに近かったんです~っ」などと言うと、ちょうど水割りセットを持ってきた係りの者が、「どんな感じですか?私の知人も見に行こうかなどと言っているんですよ。」と会話に割って入る。
すると、カウンターからマスターが、そんな混んでるところ行かなくても、うちにかけてあるフジの花を見りゃいいんですよ。」と後ろの壁にかかっている絵に視線を向ける。
そこには、見慣れているがゆえにあまり気にも留めていなかったが、見事なフジを描いた絵が飾ってある。それが、なんと係りの者が描いた絵なのだ。
確かに素晴らしい。
開店祝いなどで名のある画家から貰ったか、御贔屓のお客様からプレゼントされたのかと思っていたが、係りの者自ら描いた絵だったのだ。
マスターはどうでもよいジョークに有り余る才能を発揮しているが、係りの者は芸術に才能を発揮している。美貌でありながら、素晴らしい絵の才能。天が二物を与えるのはやはり普段夫に苦労しているご褒美かもしれない。
いずれにしても、亀戸天神や足利フラワーパークのフジを見に行って人に疲れて帰ってくるよりは、寿司竜でおいしいお寿司をいただきながら、美貌の係りの者が描いた芸術的なフジの絵を見ているほうが、何倍も幸せだろう。
これからこの季節には、表の「営業中」の看板の横に、「美しいフジあります」ともう一つ看板を置いてもらうことをお勧めしよう。