6時少し前に到着。今夜は予約のお盆がなく、静かな一夜になりそうだ。
今夜の最初の話題は何といっても中井に端を発する”性上納”問題である。
「何であんなに大きな問題になっちゃたんですかね?女性が週刊誌に垂れ込んだんですかね。だとしたら、中井が結局はその女性の心を盗めなかったということですよね!何しろ、いつもは競馬の話題しかないHさんですら、先週からこの話題ですからね。大変なもんです。」と先日うけた’女心を盗む”というフレーズを自慢げに繰り返すマスター。
芸能人とアイドル化したフジテレビのアナウンサーの問題は、なかば私人間の問題とも言え、どうでもいいようなものだが、認可制の放送局という守られた世界の中で、なれ合い経営でぬくぬくと甘い汁をすっているかのように見える経営陣がたたかれるのはなかば自業自得というものだ。毎日しょうもないお客さんの相手をして、言いたくもないお世辞を言って、血の汗と涙を流して経営している、寿司屋の経営者を少しは見習ってほしいものだと、敬意をいだいて目の前の”神田のジェームズノートン”を見る。
と、そこにたまに顔を出すジェームズノートンファンの女性客が来店。最初の一言が「前回来た時にハートを忘れちゃって!」である。なかなかの曲者で寿司竜的なお客さんである。
その後も「最近高級すっぽんを食べてお肌がつやつやなんですぅ~」などとマスターと楽しそうに話している。
「もともときれいですが、今日は一段と・・・」
などど、心にもない相槌をうち、お客さんの気分を盛り上げるマスター。神田で寿司屋を経営して30年。酸いも甘いも知り抜いた、筋金入りの経営者がそこに居るのである。