寿司竜日記 2024年12月25日(水)晴れ Wさん転勤

いよいよ今年最後の寿司竜である。毎週1回は行くことを自分の目標にしているところ、旅行等で物理的に無理な週以外はその目標をほぼ達成した(1週のみ行かない日があったが、翌週は埋め合わせのため2回往訪)が、よくこの”そこに板前”の顔を毎週毎週見て飽きなかったものだと内心で自分をほめながらの往訪である。

5時過ぎに入店すると、すでに4人組の団体さんが奥で談笑中である。すでに上がりの握りの段階になっているようだが、5時前に入店したのだろうか。真ん中に若手が居て、慰労している雰囲気であるが、やはり年末の風景だ。

お店に来る道中寒かったので、駆け付け一杯でいも焼酎勇知のお湯割りをいただくが、お湯と一緒に冷たいおしぼりをもってくる係りの者。「おしぼり用ヒーターが壊れちゃったんですよ!」とのことだが、ヒーターも毎日頑張っていればくたびれることだろう。果たしてヒーターを修理するのか、買い替えるのか、いずれにしても面倒なことではある。

今夜の最初の話題は、Wさんの転勤のことだ。年末であわただしいというのにこの季節に転勤の辞令がでたのだ。Wさんの会社は本社が名古屋だが、その本社に転勤とのことだ。本社に転勤なら栄転だろうから目出度いが、持ち馬が待望のデビューを鮮やかに勝った後で、これからレースが本格化するのに、それを見ずして東京を離れるのは、辛いことだろう。

「転勤って、いいですね!Wさんは以前仙台にもいたらしいんですが、私も一度ぐらいは転勤したいもんですね。仕事で、札幌とか仙台暮らしができたら最高ですよ。でもいつも君は”そこにいたまえ”なんて言われてる仕事なんで、かなわない夢ですけどね。」とまずまずの内容である。

それはともかくWさんについていえば、ほぼ毎週のように来店されるお客さんなので、寿司竜にとっても打撃だし、他のお客さんにとっても、レースの最後の直線でのあの吠えるような熱い叫び声を聞けなくなるのはとても寂しい。本社に戻ったとなると、そう簡単には東京の事務所に戻らないかもしれないが、出張や帰省のときには、必ず顔を出してもらいたいものだ。

そんな少し寂しい話題の後は、新年の話題となる。

「いやあ、私も来年は年男ですよ。小池百合子とか、習近平、プーチンと同じですね。」とマスター。随分大物と並び立つような口ぶりだが、調べてみると、山下達郎、おりも政夫、三田村邦彦や研ナオコ、竹下景子などの芸能人、故人ではテレサテン、島田陽子、相撲の北の湖、外人ではサッカーのジーコなども同じ年のようだ。習近平やプーチン並みとは言えないが、神田における名声としては、他の芸能人などには何らそん色ないとは言える。

「でも、長い正月休みには、お嬢さんも帰ってくるでしょうし、おせち料理なんかも楽しむんでしょうね?」と聞くと、

「年中お店でお世辞料理だしてるんで、もううちではシンプルなもんですよ。」

こんなダジャレも聞けなくなるWさんのことを思うと、どうでもよいダジャレもいつもにもましてありがたく思えてくる、今年最後の寿司竜である。

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