寿司竜日記 2025年3月6日(木)晴れ 水ナス

和歌山から水ナスが送られてきたのでいかがですかと案内をいただく。木曜日、金曜日とも満席だが、木曜日は7時までなら席の確保が可能ということでこの日5時に往訪。

マスターは予約のお客様の準備に忙しいが、さっそく水ナスをまるまる1個出してくれる。大きな水ナスである。

水ナスはとても高いので、普段なかなか買えないし、買った場合でもほんの数切れを大事に楽しむのがせいぜいなのだが、今回は大きな水ナスがまるまるだ。ぜいたくである。

それにしても立派なナス。

「うちにはボケナスのようなお客さんばっかりで、水ナスのような高級なお客さんはいませんね!」などと先週マスターが寿司竜の客筋を自慢していたが、他にナスにまつわる言葉でどんなものがあるか考えてみて、間抜けな人やのろまな人を罵るときに使われる「おたんこなす」を思い出した。

これも寿司竜の客筋にはピッタリだとおもうが、そのいわれを調べてみると、もともと江戸の遊郭で使われていたことばで、原型は”おたんちん”といったらしい。

嫌な客に対して使う悪口で、漢字で書くと「御短珍」すなわち「短いおチン●ン」というこだ。その「チン」はあまりな直接表現なので遊び心で字を換えて「小茄子」にしたということらしい。なので”おたんこなす”は”御短小茄子”なのである。思わずじっと手を見るではないが、じっとあそこを思い浮かべて涙である。

しかし、今夜のなすは小茄子ではない。おおきなナスである。昔この店には「癒されに来る」と言っていたお客様がいたが、やはり寿司竜は「癒される」だけではなく、どんなお客様でも最後にはまた自信を回復して明日への活力を与えてくれる店なのである。

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