寿司竜日記 2025年3月24日(月)晴れ 忙しい方

丁度5時に空席確認の電話をするとすぐに係りの者が出て「大丈夫です。寝ることもできますよ~」と明るい声。台湾旅行のため中一週間あいて久々の往訪だが、いつの間にか春本格化の暖かい陽気である。

到着すると確かに他に予約トレーはなく、丁度カウンターの真ん中に着座する。

「いやあ、高安可哀そうでしたね。また優勝できませんでしたよ・・・。大の里はまだまだ将来優勝する可能性があるんだから、今回は忖度というか、武士の深情けというか、高安に勝たせてやればよかったのにねぇ。」とマスター。

「私も今回ばかりは高安を応援してたんですけど、やっぱり14日目に平幕の美ノ海に負けたのが痛かったですね。でも、苦労しても苦労しても報われないなんて、何となく寿司竜にはあう相撲取りですね。」と返す。

店内のラジオでは先週までの相撲放送とは打って変わって、坂本九の懐かしい歌が流れている。”上を向いて歩こう”とか、”見上げてごらん夜の星を”とかである。

「この曲ももう50年以上も前ですもんね。随分古いですが、古いといえばマスターも板前になってもうすぐ60年。よくここまでやってきましたよね。でも古いといえば、うちのお袋に先日”家で一番古いものは?”と聞いたら、”嫁入り道具の鍋”なと言っていたんですが、寿司竜で一番古いものは何ですか?玉子焼きのフライパンですか?」と聞くと

「フライパンじゃないですね。そうですね・・・とっくりかな・・・。」

どんなとっくりか見せてもらおうかと思っているところに、今夜もミッキーさんが到着。店内がパッと明るくなる。

「ミッキーさん、先日は無事に帰れましたか?」とマスター。どうやら先週ミッキーさんとHさんが深酒したらしい。

「ええ、何とか無事に帰ることができました!」とミッキーさん。ミッキーさんにとっては、いつものことで心配はいらないと思うが、そこに一方のHさんから電話が入る。係りの者と何やら長い話をしているが、大人数での宴会予約の相談をしているようだ。電話が終わって、係りの者に、Hさんは今夜来るのかどうかと聞くと、「7時半までに来なければ仕事が忙しくて来れないと思ってくれ。」とのことらしい。

「仕事で忙しい」というのは寿司竜ではなかなか聞かないフレーズだ。思い返してみるとコロナで大変だったころ、半導体が品薄になりWさんが調達に走り回っていた時以来のことかもしれない。

そんな忙しいHさんは果たして今夜姿を現すかどうかと思いながら、ミッキーさんとの夜は更けてゆく。

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