ちょっと一句

●俳句とも川柳とも短歌ともいえないものもあるが、そのとき感じたことを一定の字数で記録してきたものである。

同窓に君と呼ばれてこそばゆい(2019.10)

ゆるゆると遊ぶや萩の百花園(2019.9)

胡枝花洞はるかかなたにスカイツリー(2019.9)

幸の湯に木漏れ日差して苔光る(2019.9)

幸の湯に打たれて楽し秋の宵(20019.9)

杖要らずコオロギの鳴く日暮れかな(2019.9板室)

虚子の道カラスが鳴くから帰ろうよ(2019.8大沼公園)

掃除機もつけず息を殺した大晦日(2014.12)

旨いなぁ酒はいつも酔わせてくれる(2014.12)

ひらひらとまたひとひらの冬支度(2014.9大湯温泉)

悪態も元気なうちとただ耐える(20012.6)

氷雨降る人影もなき瑞泉寺それでも梅は我よと咲きぬ(2012.3)

こおろぎと妻の寝息のハーモニー(2007.8)

蹴り蹴りし自慢げな顔して旨を張る(2007.5)

教えてもお手一つさえ出来もせぬくせつぶらな瞳に見つめられては

裏路地のケンケンパーがうさぎ追い

カップルを見送るバーディー何思う

齢を得人情の旅に涙する

漏れる灯に若さが萌える安下宿

今生の別れを惜しみ確かめる(イラク戦争派兵)

酔っててもいつもの変わらぬお出迎え

戦場へ行くかのごときガルーダ機(2003.12)

妻泊まり寂しくもり寂しくもなし

飯食って大の字に寝る妻に向け加湿器の湯気静かになびく(2001.1)

又眠る眠れば眠る妻の顔見ながらに読む本ははかどる

皆帰郷我一人のみ残り居り(2000.11)

百切ったころかな夫婦生活も(2000.6)

幸せになれると思い嫁ぎなばささいなことに腹たてんかや(2000.2)

ぬくもりの待つ小寒の家路かな(2000.1)

妻は里けなげに光る留守電話(1999.2)

もくれんの芽が吹いている月明かり(1999.2)

今日は亀明日はかえるか妻眠る(1999.2)

五尺より頭上がらぬ六頭身(1999.1)

三年前晴れて契りを結びなば今日も明日も背が声聞かん(1999.10)

妻のするおならはいつも大きいよ(1998.10)

武者太郎酒の肴に成り下がり(1998.10)

爪を切る音も響くや秋の夜(1998.10)

白無垢の約束したりまとい駒(1998.10)

仲秋に湯気がこもっておぼろ月(1998.10)

梅ヶ丘紅白の顔咲き乱れ(1998.2)

どぶ川に何の因果か鯉泳ぐ(1998.2)

かっぱにもこりゃあいいだろ薬研の湯(1997.9)

虫の音と妻の寝息に秋の宵(1997.10)

水割りのカランと響く夏休み(1997.7)

玉の汗拭きつ登りぬ奥鬼怒のあゆの塩家喜格別うまし(1997.7)

共稼ぎ神業で目覚まし止める夫(1997.6)

あーっ!と妻吐息をもらすバスクリン(1997.6)

屁したい後から人がついてくる(1997.3)

手作りのプリンやうれし春の宵(1997.3)

天の川我が天上に見えねども我が田舎には光りけるかも(1997.2)

春立つ日桜の鍋に舌鼓7人の箸に豆腐も踊る(1997.2)

水底から飛び出してくるスキーヤー(1997.2)

我妻の裸体は豚であろうともかけがえのない妻でありけり(1997.1)

コンビニでおにぎりを買うキャデラック(1996.12)

妻のするおならもいつか聞き慣れて(1996.12)

鳥も鳴かぬ沢登り来て見晴らせば冬の備えかチェンソー響く(1996.11)

川筋の赤提灯も今はなし我が青春の日々と悲しき(1996.10)

きんしゃちも行こう我らと50年(1996.9)

秋近しまた一年の過ぎたるか(1996.9)

心ある人が撒いたか朝の顔(1996.9)

コオロギの鳴くや湯河原秋の風(1996.9)

いつの日もこれが最後になろうとは思う間もなく日は暮れてゆく

縁側に風鈴西瓜生ビール

共稼ぎ夫も元気に皿洗い(1996.7)

黄昏に忠犬ポチも寂しかろ(1996.7)

鳴く鳥の声こだまする天竜の川下り来て水ぬるむを知る(1996.6)

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