寿司竜日記 2025年8月4日(月)晴れ マルハラ

介護のため中一週あいての往訪である。

その介護中のことであるが、年寄りの認知症予防のため、ユーチューブの古いドラマや昭和の流行歌のほか、なつかしい唱歌などを見せたり聞かせているが、そのなかに唱歌の「赤とんぼ」がでてきた。

①夕焼けこやけのあかとんぼ おわれてみたのはいつの日か

③十五でねえやは嫁に行き おさとのたよりも絶え果てた

というあの歌であるが、この詩の意味を正しく理解していなかったことに初めて気づいた。

①の、”おわれてみたのはいつの日か”については、追いつ追われつとんぼと遊ぶような意味にとらえていたが、これは”負われて見たのは”ということで背負われて見たという意味であったのだ。

③の”ねえや”は、姉が嫁に行ったので、実家の情報がはいらなくなったというふうにとらえていたが、この”ねえや”は姉ではなく”姐や”という字を書く子守娘のことであったのだ。

この歌の背景は次のようなことであった。

作者(三木露風)は5歳の時両親が離婚し、祖父に養育されることになって、子守奉公の姐やに子守されて育ち、その姐やの背におんぶされてトンボをみたということなのである。

また、その姐やは、離婚して家をでた母親が自分の住む実家のそばの娘を作者の子守奉公に出すように図り、その姐やが時々自分の生家に帰るときに、母は息子の、息子は母の消息を姐やから聞いていたのが、その姐やが嫁に行ったので、母の消息がわからなくなったということらしい。

子守奉公や10代半ばでの嫁入りとう古い日本の情景が浮かぶ美しい歌であるが、正しい意味や背景がわかってよかった。

そこで今夜の寿司竜であるが、奥に3人連れの女性客である。現役時代ときどき来店していたのが定年で来なくなり、7年ぶりに来店らしい。釧路、秋田、京都の方のようで、それぞれの地方ネタを交えながら、マスターと昔話などをして楽しんでいる。

その合間を縫って、マスターが「今日は月曜日だから、たぶん、悶ちゃんは来るな。ミッキーさんとHさんは多分今日はこないですね。明日浅草橋さんに呼び出されているから。」などと、皆の動向を教えてくれる。

ミッキーさんと言えば、先日会ったときに、最近のトレンドとして「マルハラ」というのを教えてくれた。セクハラ、パワハラから始まってなんでもハラスメントにする時代になってしまったが、いよいよマルハラというのもできたとのことである。ネットで検索すると次のようなものである。

『マルハラ(マルハラスメント)とは、主にチャットなどのSNSの文面において、句点(。)を使用することで、相手に威圧感を与えてしまうことを指す造語です。

具体的には、中高年から若者へ送られるメッセージの文末に「承知しました。」「はい。」のように句点がついていることに対し、若者が冷たい印象や距離感、または恐怖心を抱く現象を指します。

この背景には、世代間のコミュニケーション方法のギャップがあります。SNSでの短いメッセージのやり取りに慣れている若者世代は、一度のメッセージで結論を出すことを避け、複数回のやり取りで合意形成を図ろうとする傾向があります。一方、SNSをあまり利用しない世代は、一度のやり取りで結論をはっきりさせようとする傾向があるため、句点を使用することが多いです。

ただし、マルハラという言葉に対しては、ハラスメントと呼ぶには大げさではないかという意見や、若者批判の印象操作ではないかという意見もあります。』

ミッキーさんはまだまだ現役で若者とのお付き合いも多く世間のトレンドに詳しいが、こんなマルハラは屁でもないようだ。ただし、マルハラと聞くとどうしても浅草橋さんを思い出してつらいらしい。何故だろう。