今夜は珍しく美しい女性2名と待ち合わせの中、一足先の到着である。
着席するや否や、満席のお客様で忙しいにもかかわらず、マスターがカウンター内から「ぬっ!」と顔を寄せてきて、面白い話があるんですよと「にやっ!」とする。
何事かと思っていると死体の鑑識の話である。鑑識では性別で死体の言い方がちがうとのことで、男性の死体は「したい」と言い、女性の死体は「いたい」というというようなことをもったいぶって言うのである。とてもくだらない内容なのだが、本人はえらく気に入ったらしく、来るお客様来るお客様にご披露して自分で喜んでいる。お客様も迷惑だろうにと思っていると、ようやく連れの到着である。
そして美しい女性との話をひとしきり楽しんだ頃、隣の予約席にここ寿司流で第3のYさん(第1のYさんはあの素晴らしい方、第2のYさんはあの大変な方である)がお連れの方を伴っての到着である。話を聞いてみるとそのお連れの方は、なんでも競馬で家を3軒分ぐらいは擦ったとのことであるが、見た感じそして競馬で摩るという実績からしてシロアリの雰囲気十分で、ずいぶん昔からの常連のようにこのお店になじんでいる。また一人シロアリ軍団構成員の誕生であろうか。
しかし、その話の流れの中で分かったことだが、わがシロアリ軍団の中に、元暴走族の方がいるらしい。
暴走族は、昔は私にとって夜の安眠を妨害するものとして許せぬ存在であったが、だんだん歳を取ってみると若者のエネルギーの発露の一つとして少しまぶしく感じる懐かしい響きを持っている。
そのシロアリ軍団の暴走族の方は男性であるが、今度は女性の元暴走族の話を聞いて、少し甘酸っぱい青春を思い出してみたいものである。