ようやく緊急事態宣言が解除され、時短ながらお酒解禁ということで、開店直後の往訪である。
スポーツ新聞を両手で大きくひろげ、呆けた顔で新聞を読んでいるのが常であるマスターは、今日は新聞を読んでおらず珍しくピリッとした表情であるが、マスクをずらして口を出していると、「マスクを上げて!、コロナ対策リーダーなんだからきちんとやらなきゃ駄目でしょう!!」と係の者からピシッと指導がはいり、面倒くさそうにのろのろとマスクを上げる。
続いて係の者は、こちらに対して消毒薬自動噴霧器を指し示し、「しっかり手指消毒してくださいね」「感染防止徹底点検済(青背景+王冠マーク)のステッカー見てくれました?うちはきちんとやってますからね。」と大変な気合いである。
階段を上がって実際にステッカーを見せてもらうと確かに青色に王冠マークがついており、その隣には「コロナ対策リーダー宣言書」も貼ってある。競馬以外はまじめにやるイメージがない寿司竜であるが、ことお客様の安全安心については、やるときはやるのである。ありがとうございます。
しかし、違和感があるのが「コロナ対策リーダー」である。生まれて初めて”リーダー”という肩書きがついたので、マスターは喜んでいるが、全くリーダーとしてのイメージも実態もない。やはりこの方には”リーダー”とかいう肩書きは似合わないのである。(ただし、競馬場に皆を引率する時はリーダーとしての風格がある。このときは背筋がピシッとして表情も引き締まり、見違えるようである。)
すると、あのボクシングに超詳しい方から来店希望の電話であるが、今夜の食材の関係から明日以降の来店に調整してもらうこととなり、残念である。
そうこうしているうちに一番奥に卑猥さんグループ、中程に悶絶さんグループが来店、さらにHさん、税務に詳しいMさんといつものメンバーが揃う、蔓延防止初日の寿司竜である。