今日は大宮の不動産実査の帰り18時に往訪。
お客様はいつもにこにこ笑顔で品の良いTさんとそのお連れの方二名、そしてそのお隣にはお一人でお越しの方がいる。引きずりのMさんが居ないので、ひきずりさんの席に着座する。
今夜はいつにもまして、Tさんが楽しそうである。珍しくふぐのひれがあるということで、ひれ酒なども飲みながら楽しんでいる。
「ひれ酒は久しぶりですよね、いつ以来ですかね」とTさんがマスターに尋ねると
「前回以来ですかね」とマスターはいつもどおり好調。
「うちの会社は、美人度合いで女性社員採用するんですよ。以前は水着審査がありましたからね。」「一度でも似ていると言われたことのある最高の人を出し合うゲームがあるんですよ。」
などとTさんが話すと「へーっ」とお連れの方も楽しそうに引き込まれている。
その傍らでお一人のお客様もTさんの話を耳で楽しみながら笑顔でお酒を飲んでいる。やや暫くして、マスターの手の空いた隙に握りを注文するが、握りができあがってもなかなか手をつけない。どうしたのかなと思っていると、「醤油皿ありますか?」と係の者にぽつり。よくある光景であるが、今夜は係の者が珍しくきびきびしており、すぐに醤油皿を持ってきて「お皿が無けりゃ食べられませんよねぇ」なとど、これも笑顔で対応である。
かたやますます笑顔に勢いの出るTさん。その勢いで、そのお隣の方に
「せっかくのご縁ですからご馳走しますよ。何がお好きなものはありますか?」と言うとその方が、
「ウニですかね」ということなので「じゃあ、マスター、この方にウニの握りを差し上げてください。でもウニは高いので1個。」
マスターは声高らかに「ウニのにぎりご注文ですぅ。たった1個。」とこのお一人の方の気持ちを代弁して握ってあげている。
たった1個のウニをいただくなど楽しい時間を過ごし、お一人の方の退店の時間となるが、マスターが優しく声を掛ける。
「今夜は済みませんでしたね。お客さんがうるさくて。」とこの方の気持ちを読み切って挨拶をする。
うるさいとか醤油皿がないとかいろいろあったこの夜だが、この一言でこの方も救われただろう。是非又お越しただきたい雰囲気の方である。