寿司竜日記 2018年12月27日(木)晴れ

今年最後の往訪だが、満席で最後の1席である一番入り口側の席に陣取る。昨日も貸し切りとのことなので、大繁盛の年末である。

ふと奥に目をやると、いつものHさんが居る。「Hさんは年末になって珍しく仕事の話をしていますよ」などとマスターがにこやかに教えてくれ、席が離れていてもその動向が逐一わかるほどであるが、今年顔を見た他人としては、マスターの次に多い方であり、本当に随分お目にかかったものだなぁ・・・などと感慨に浸っていると、またお客様の来店である。

満席のため、係のモノが申し訳なさそうにお断りの話をしていると、ちょうどお帰りのお客様も居て、入れ替わりで入店となった。係のモノも今夜はふうふう肩で息をしながら休む間もなく動き回っているが、その間にマスターはお客様にバランを出して「お刺身などおまかせでよいですか?何かお嫌いなものはありますか?」などと愛想良く話しかけている。

思わず「マスターです!」と横で言いそうになったが、ぐっと飲み込んで、マスターの腕と包丁が落ち着くのを待つ。待つ間、Hさんからいただいたボトルを飲む。有馬記念も惨敗し、結局このボトルの御利益がないままHさんにお返しができなかったことを心の中で詫びつつ、名残惜しいその姿をよく胸に刻みながら飲む。

そして待つこと暫し、ようやくマスターの手が空いたので、いつもの鉄火巻きから各種握りへと移行する。

旨い。

旨い。寿司竜の寿司は旨いなぁ。

そのような中で、お客様がお帰りになる度、「来年もよろしくお願いします」などとお互いに挨拶を交わしながら引き上げるほのぼのとした光景が続く。皆さん、この一年良いことも辛いこともあったであろうが、美味しいお寿司をいただき、歓談し、来年の再会を約して分かれる人と人との縁を感じて、終わりよい一年であったことだろう。

お店の営業は年末は今週いっぱい、来年は1月7日からとのことであるが、また来年もこの旨いお寿司をたくさん、マスターの素晴らしい駄洒落は少々、そしてお客様の素晴らしい笑顔はたくさん味わいたいものである。

シェアする

フォローする

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。