寿司竜日記IN東京競馬場 2018年10月20日(土)秋晴れ

今年も、この日がやってきた。年1回、東京競馬場にシロアリ軍団の絶叫がこだまする日である。例年は11月の武蔵野ステークス(ダート戦)の日であったが、今年は芝でのレースを楽しむというマスターの計らいにより、富士ステークス(芝1600m)がメインに組まれたこの日となった。メンバーは、かの有名なしろあり王Hさんと、我らがTB号オーナーのWさん、そしてマスターである。

当日は、Hさん・Wさんとは現地集合で、残りの二人は10時に神田駅中央線ホームの中程ベンチで待ち合わせての出発である。昨年も秋晴れのすがすがしい日であったが、今年も素晴らしい秋晴れだ。気分は最高!あとは、大穴を当てるだけだと、ノリノリの出発である。

中央線・京王線の車内では、マスターにこれまでの競馬成績表を見せられた。小さいメモ帳に鉛筆書きでこれまでのレース結果がびっしりと記載されているのだが、東京開催の競馬以外の開催も含まれているため膨大な数字であり、当たりのレースの冒頭部分には、小さな「・」がついている。これが、なかなかの割合でついているのである。

「すごいでしょ!!」と無邪気に語るのであるが、確かにすごい。これだけのレースをまじめに研究する時間、それをこまめに記帳する時間などを考えると、よほど暇でなければできない。これだけのエネルギーを仕事に向けたら大変なことになる、となかばあきれた思いを感じながらも、表面上は「すごいですね」と感心する様子を見せておいた。やはり、本音を感じさせてはいけない。何しろ今日は「うに」の握り入りお寿司の弁当付きでマスターのご招待なのである。

そうこうするうち、11時少し前に現地到着。我々の席は5階の来賓席なので、まず入退場用スタンプを押してもらう入場受付に向かうと、すでにHさん・Wさんは入場済みとのこと、待ちきれなくで早く来ているのである。かなり入れ込んでいる。

レースは11時15分の第3レースから可能であったが、マスターはすでにお昼頃までのレースの電話投票を済ませてきたとかで、悠然と構えてそれ以降のレースを検討中である。残りの3名は、それぞれ好みのお酒を持ち込んでレースをつまみに静かな宴会の開始である。

いよいよレース開始である。例年は「やったーーー!!」という言葉がほとんど出なかったのであるが、今年は展開が少し違う。「ああーーーっ・・・」というような、悲しいうめき声がほとんど聞こえない。差し入れた甘納豆のおつまみに対しても「これは、美味しいですね・・」などと、ゆとりがあるのである。どうやら、調子がいいようだ。

仕事だと一日は長いが、競馬場だとあっという間に時間が過ぎてゆくとマスターが言うとおり、11時から始まった今日のイベントもあっというまの終局である。Hさんは相当数のレースをやりながらも、本日は大収穫、マスターもそこそこ「・」がついてトントン、Wさんも例年ほど傷は深くないようである。私だけが、Hさんに、「来年は当たるところを見てみたいですね」と慰められる始末であった。数ある寿司竜のお客様の中で、Hさんに慰められる人は少ないであろう。悔しさを胸に秘めながら、来年の奮起を近い、3名と堅い握手をして、一人競馬場を後にしたのでありました(他の3名は南武線経由で帰宅)。

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