今夜は随分久しぶりに人事部長と待ち合わせで、約束の6時ちょうどに到着。
奥には古い常連さん二人連れが談笑中で、一番手前にはひきずりのMさんがいる。そのMさんの背後を通りながら席に着くが、「Mさん、痛風の状況はいかがですか」とまずは心配な体調の確認である。
「いやあそれが、痛風ではなかったんですよ」と穏やかな表情で応え、静かにお酒を飲むひきずりのMさん。
こちらの席とMさんとの間に距離があり、それで会話が途切れたが、まずは元気にここにいらっしゃるのは一安心である。
すると間もなくHさんが到着。この方は、痛い痒いをまったく漏らさない。もう若くはないので体に多少ガタガ来ていてるだろうが、素晴らしいことである。ただし、今週も30点以上購入した安田記念は当たらず、心の傷は相当痛いようで、”惜しい、痛い、惜しい、痛い”とつらそうに漏らしている。そして、その隣には、コロナで浅●橋にほとんど行けなくなった浅●橋さんが到着。浅●橋さんもあまり体が丈夫そうではないので心配だが、今日は元気そうにHさんの心の傷を癒やしてあげている。ありがたいことである。
さらにその手前に若い二人連れが到着。最近時々来るようになったととても若い(20台半ばだろうか)未だにマスターから美人の名称を授けられてない娘(コ)が幼なじみを連れて来店である。
この二人は健康そのものである。体も心もピチピチして光り輝いている。痛みなどどこにもないし、ひきずるものもない、仮にあったとしても1日寝れば治るのである。
引きずるMさんにも、Hさんにも、そして他のシロアリメンバーにもあったこのような青春時代。今は見る影もない。
そして正面のカウンター内には、「昔はジェームズノートンと言われてモテたんですよぉ」とその若い娘達に自慢しているマスターが居る。
誰がマスターにジェームズノートンに似ているなどと言ったのか、無責任な人が居るものだと思いながら、マスターの今とノートンの写真を見比べて、その落差に涙する。
その涙も枯れる頃、”人の好き嫌いで人事をするのが好き”と吹聴し、時間通りに来たことがないどうにもならない人事部長が到着で、いつの間にか満席の寿司竜である。