歯医者の帰り、5時半過ぎの往訪。月曜日なので引きずりさんが居るかと思ったら居ない。
「今夜は超美人のお客様の予約がはいっているんですよ!楽しみだなぁ。」と今夜も元気なマスターだが、「先週浅草の神谷バーに行ったら結構混んでいて、もしかしてコロナに感染していたらまずいんで今夜はマスターと会話しないようにしますよ」とマスターに言うと、「そんなの気にしませんよ。感染したらしたで別に療養すればいいだけなんで」と恐れることもなく堂々としている。流石である。
とはいえ、お店が休みになれば他に行くところもないシロアリが困る。マスターは大切でかけがえのない体でなので、少しでも感染させる可能性の少ない、一番手前の入り口に近い席に着座し、会話は控える。
暫くして、引きずりさんが来店。いつも一番乗りなのに、今夜は用事があったらしく遅れての到着だ。
もちろん引きずりさんもマスターに負けず劣らず大切でかけがえのない体なので会話は控えるが、そうはいってもついつい話をしてしまう。私が剪定の学校に行くことを聞きつけたらしく「今度、郡山で剪定やってくださいよ」とありがたいお話しをいただいたり、「選定業者で”お庭マスター”というのがあるんですよ」とこちらが知らなかったことを教えてくれる。流石である。
そうこうするうち、超美人の二人連れが到着し、一番奥に着座する。
すると会話したくてうずうずしていたマスターは、「案外早かったね、もうすっかり慣れた?」「何か嫌いなものありますか?」などとうれしそうに優しい言葉をかける。
”嫌いなものは目の前に居るそこに板前です!”
という言葉を飲み込んで、大切でかけがえのない体のマスターを密かに応援しつつ、静かにお酒をいただくひとときである。