今夜は定年の慰労会で珍しく野郎3名での往訪である。野郎3名なのでマスターは心なしか(というよりはあからさまに)愛想がない・・・が、かえってうれしい。
定年の年頃ともなると、3人で何を話したのかも覚えていないが、やはり引き際についての話が中心であったろう。止まって見えたはずのボールが動いて見えたり、完璧に仕上げたはずの書類にミスが見つかったり、あんなにくだらないと思っていたマスターのジョークが面白いと感じたり、やはり老化してくるとまったく悲しいかなである。
引退の潮時か・・・。
そこに、Iさんの来店である。Iさんとは、あの数年前にふらりと訪れて、この店に訪れる理由を「癒されたいから」と名言(いや迷言か)を吐いたあのIさんである。今夜は、超絶並みに美しい彼女の雰囲気のする女性を伴っての来店であるが、大丈夫であろうか。マスターのくだらないジョーク攻撃にさらされて、せっかくの良い関係が壊されはしないだろうか。気が気ではない。
でも、これでいいのだ!
マスターの引退時期は、ジョークも出なくなったときだろうから、この調子だとまだまだ先だと安心しつつ、ジョークを浴びせられ楽しいふりをしている2人を置いて、引退の潮時が来た3名は寿司竜を後にするのであった。