寿司竜日記 2023年5月24日(水)晴れ 文化的時間が流れる

久しぶりにスーツを着て、古巣の会社、北海道石狩市の東京事務所と往訪後5時過ぎに到着し、パーテイションが一つしか無いすっきりしたカウンターの中程に着座する。

係の者がおしぼりと水割りセットを持ってきてくれるが、「先日のTV見ましたよ」と声を掛けてくれる。最近係の者もスマホやメールに慣れてきたらしく、いろいろな情報を簡単に共有できるようになった。店舗内で携帯もつながらなず、世間の情報から隔絶された状態だった以前から見ると、想像も出来ないほどの文化的進歩である(マスターは相変わらず携帯すら持たないが)。

さて、今夜最初の話題はマンドリンコンサートである。マスターの知り合いが奏者として出演とのことで、お店の何人かで行くこととなっているのだが、「音楽はいいよね。心が洗われますよ。」などと、マスターの顔からは想像もできないほどの文化的な言葉である。今夜は床屋へ行ったばかりで、凜々しい感じがするのは伊達では無い。

が、残念ながら文化的な話題は続かない。結局競馬の話題ぐらいしか無いので

「先日のオークスはミッキーから流したんですけど駄目でした。来たら相当大穴だったんでドキドキでしたが、かすりもしませんでした。Hさんはどうだったんですかね?」と聞くと、「Hさんは、ダメよ、ダメダメつらいのよ。また、以前の惜しい惜しい状態にもどっちゃてるんですよね。」と言いながら、特別に入荷した”らっきょう”と”水ナス”を「はい、水ナス!みんなはボケナス!!」などとボケナスのような顔つきで出してくれる。今夜の水ナスは、うまくゆけば年に一度出してくれることがある和歌山の水ナスではないか、やはり旨い。

水ナスは旨いが、文化的では無くどうでもいい話が続く中、ようやく6時近くになって関西の一流D大学出というOさんがお連れさんを伴って到着する。お陰でマスターの圧迫から解放されて、ほっと一息である。

そしてマスターは「お連れさんは初めてですね。これでも一応寿司屋なんですよ!」と覆い被さるように、おとなしげなお連れさんを圧迫し、ボケナスのようなどうでも良い話題であきれさせている。

今夜も寿司竜独自の超文化的な時間が流れるいつもと変わらぬ寿司竜である。

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