先日われらがしろあり軍団希望の星TB号が出走するレースがあった。その日は生憎馬券を買うことができない日だったので、マスターに代理購入をお願いしていたのだが、そのレース後(結果は敗北)初めての往訪である。
到着早々、マスターから、「間違いなく購入したよ!」と、その馬券を渡された。ほとんど初めての単勝購入であるが、単勝の馬券とは美しいモノである。いかにもその馬を応援してますよという愛情が感じられる・・・結果的中すればの話であるが・・・。
的中すれば、そのいとおしいモノは手元に残らず、的中しなければふがいないモノが手元に残る、なかなか複雑な代物である・・・馬券は。
それでも、期待をして、誰かを応援するのはすがすがしい。今回は駄目だったが、次は期待しているぞ、TB号!頼むぞTB号!!
ところで、競馬好きの小説家と言えば、高橋源一郎である。その、高橋源一郎の「還暦からの電脳事始め」を読んだ。還暦をすぎてipad、ヤフオク、LINE、Skype、Kindleなどを使いこなす苦悩と楽しみを書いたエッセー集だが、還暦過ぎて次々と電脳の世界を使いこなすのはたいしたものである。うらやましい。
などと思い返しながら、カウンターの目の前の大柄の方に目を向ける。・・・目が合う。
この方は、全く電脳に無縁である。ガラ系の携帯電話すらも持っていない。信じられない。今時、携帯電話も持っていないヒトは、100万人に一人ぐらいだろう。だとしたら、馬券で言うと100円の100万倍で1億円だから、億円馬券に相当する方ということになる。すごい方なのだ。
今度からこの方を億円馬券の方と呼ぶことにしよう・・・などと考えながら、静かに夜は更けてゆくのであった。