寿司竜日記 2023年11月14日(火)晴れ さらば昴よ

谷村新司が亡くなった。高校を卒業して上京したときはステレオはおろかラジカセもなかったが、友人の部屋へ行くとラジカセからアリスの”ジョニーの子守歌”が流れていて、いい曲だと思った。それ以来のファンだが、あれからもう45年ぐらい経っている。

その谷村新司に”昴”という曲がある。

『目を閉じて何も見えず 悲しくて目を開ければ 荒野に向かう道より 他に見えるものはなし ああ 砕け散る宿命の星たちよ せめて密やかに この身を照らせよ 我は行く 蒼白き頬のままで 我は行く さらば昴よ

呼吸をすれば胸の中 凩は哭き続ける されど胸は熱く 夢を追い続けるなり ああ さんざめく名もなき星たちよ せめて鮮やかに その身を終われよ 我も行く 心の命ずるままに 我も行く さらば昴よ

ああ いつの日か誰かがこの道を ああ いつの日か誰かがこの道を 我は行く 蒼白きほほのままで 我は行く さらば昴よ 我は行く さらば昴よ』

長い間どういう意味か気になっていたが、谷村新司が亡くなったこともあり、改めて詩の意味を調べてみた。

やはり、ポイントは最後の”さらば昴よ”だが、これは「物質文明にサヨナラを告げよう」という意味らしい。というのも”昴”は”物質の豊かさのシンボル”で、そんな昴に別れを告げることは「お金や物への執着を捨てて精神的な豊かさを追求する」という意味とのことである(以下このサイトから)。

確かに、そういう文脈で見てゆくと、~我も行く 心の命ずるままに~などの意味が理解できるような気がする。

今夜の寿司竜は誰もお客さんがいない。Hさんやミッキーさんの消息の話題がひととおり済んだ後で、この詩の意味の話題になったのだが、マスターの生き様はまさしくこの詩の通りかもしれない。お金に執着せず、心の命ずるままにお客さんの相手をし、馬券を買う。まさしく”さらば昴よ”の人生そのものである。

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