今夜も5時過ぎに一番乗りである。
奥に3名のほか、カウンター中央部分に4名の予約席がある。中央の4席のうち2席は新婚でラブラブのGブチさん夫妻の席であるが、それにくっつけて浅●橋さんとミッキーさんの席とのことである。新婚でラブラブのGブチさんの隣に浅●橋さんとミッキーさんの席を設けるのはGブチさんへの嫌がらせだろうか。
「ラブラブの新婚さんなんていってもいつまで続くかわかりませんからね。でも、先週金曜日は超絶美人さんが彼氏をつれてきて、他にも奥さんが美人の若夫婦がいたもんだから、たまたま一緒にいたミッキーさんは楽しかったんでしょうね。飲んで飲んで飲みつぶれるほど飲んで、あれできちんと家に帰ることができたのか心配するほどでしたよ。まあ、ミッキーさんは今夜もこれから来るんでその後どうだったのは分かりますけどね。」
などとマスターが言っているところに、奥の席予約の3人連れの方々が相次いで来店される。
「おお!お久しぶりですね。もう10年ぶりぐらいになりますか!確か事務所が中野に移転したんですよね。」などとマスターが感激しながら話している。
「今度日本橋に戻ってきたんですよ。なので、早速こちらにお邪魔したというわけなんです。それにしてもマスターは変わりませんね」とお客様。
昔会社がこの辺にあり、その頃は随分お店に来られた元常連さんのようだ。「それにしてもマスターは変わりませんね」と何度も言われて、「私も今は70代ですよ。外見は変わらなくても、すっかり年を取り、体力が落ちました。60代と70代では全然違いますよ。」などと久しぶりに会った元常連さんと嬉しそうに話すマスター。
まだ寿司竜にシロアリという言葉がない頃に来られていた常連さんとの再会は格別だろう。「会社が近くなったんでまたしょっちゅう来ますよ」などと元常連さんも嬉しそうである。
そうこうするうち、ミッキーさんが到着し、Gブチさん夫妻から一つ席を空けて着座する。「ミッキーさんは先週の金曜日大丈夫でしたか?無事に家に帰ることができましたか?」とマスター。
「いやあ、金曜日は本当に楽しかったです。相当酔ってましたけど、何とか家にはたどり着きました。」とミッキーさん。考えてみると、第2のHさんと言われるのに恥じない営業日連日の来店である。
そしていよいよ浅●橋さんが到着し、Gブチ夫妻の隣に座る。ラブラブの新婚さんを今か今かと待つ浅●橋さん。
浅●橋さんとミッキーさんに待ち受けられるGブチさん夫妻を気の毒に思いつつも、制限時間一杯となり、今夜もHさんに会えないまま辞去する新旧の常連さんが入り混じる寿司竜である。