今夜も開店と同時に入店。もちろん誰も居ないので不本意ながらマスターと差しで会話。
「昨日は、韓国と香港のお客さんがお見えになりましたよ。うちも国際化したもんですね。もちろんシロアリも来ましたけどね。」とあたりまえのようにシロアリの近況報告を受けるが、先日体調を崩して、やっとの思いで帰宅したミッキーさんの話題となる。
「その後大丈夫だったんですかね?」
「何とか回復したようです。ほっとしましたよ。それにしても、かわいい女性が居るからといってはしゃぎすぎですよね。」
と体調を崩した原因は、一緒にいた女性のお客さんとの会話が楽しかったせいにされているが、真の原因は不明である。もう若くないだけに、単に加齢からくる体調不良だった可能性もある。
「それにしてもミッキーさんも一つの会社で40年も勤め上げたんだから立派なもんですよね。マスターが、サラリーマンやってたら勤め上げられますかね。」
「そんなの私には無理ですよ」と謙遜するマスターだが、もしマスターがサラリーマンだったら、どこまで出世しただろうか。
社長か、専務か、部長か、それとも何も専務のシロアリ社員だろうか。
そういう点でいうと、係の者のほうが出世しそうな雰囲気がある。少なくとも部長までは行きそうで、シロアリ社員をアゴで使う姿がごく自然に想定できる。シロアリ社員をアゴで使える人はそう居ないだろう。
恐ろしきは係りの者である。