寿司竜が都合により2週間以上にわたり休業したため、久しぶりの往訪である。メトロの三越前駅から寿司竜を目指したが、コレド室町テラスの地下も、日銀通りも飲食店はかなりの割合で休業しており、人通りが少なく寂しい。席の予約はしていなかったので、寿司竜が本当に営
業しているのか少し心配しながら向かったが、近づくといつも見慣れた”寿司竜”の看板に灯りがついているのが目に入った。寿司竜は生きているのだ。胸に熱いものがこみ上げてくる。
戦争から帰った復員兵のような気持ちで階段を降りてゆくと、ちょうど係の者と出くわす。「ああ~っ！いらっしゃい！！」といつもの反応である。本当に懐かしい。思わず係の者を抱きしめる。
早い時間だったのでお客様は誰も居ない中、お互いにこの2週間あまりの近況報告をする。マスターの近況は、競馬・パチンコであまり変わり映えがせず聞くだけ無駄であったが、「まあ、元気なだけいいか」と許す。
するとまもなく税務に詳しいぐりんぐりんのMさんの到着である。今週2回目とのことであるが、他の軍団のメンバーはどうかとマスターに聞くと、この月曜日から今日までの間に、すでにＨさんは言うに及ばずWさん、卑猥さん、悶ちゃんそしてボクシングに超詳しい方まで、皆寿司竜の再開を祝って駆けつけたとのことである。本当に素晴らしいメンバーである
そう思いながら今夜は隣り合わせたぐりんぐりんのMさんと会話であるが、Mさんは意外にも小説が好きで、芥川賞作家の作品なども読むらしい。小説の話などこの寿司竜ではきわめてまれな高級な話題であるが、Mさんの好きな小説は「暗夜行路」とのことである。好きな理由は「とても崇高だから」とのことだが、私は実際に読んだことがないのよくわからない。やはりこういう高級な話題は大王に聞くに限るが、どうやら大王は寿司竜の長期休業これ幸いとばかりに他の店（小伝馬町のゆかちゃんの店か）に行っているようだ。いつ、寿司竜に戻ってくるのかそれとも戻ってこないのか。楽しみである。