歯医者の帰り5時半頃の到着。手前に引きずりさんが居ないので一番乗りかと思ったら、一番奥に古参のOさんがお連れの方と談笑中だ。Oさんが珍しく瓶ビールを頼むものだから係の者があたふた対応しているが、2本目の瓶ビールを持って行ったとき、「あら、そういえば小皿がないですね」なとと気づいたのはいいが「やだぁ~、いまビール瓶と一緒に持っていたのに、そのまま持って帰ってきちゃってたわっー」など、今夜も係の者は大ボケである。寿司竜はマスターのボケが凄いが、係の者はそれを遙かに上回る。マスターは芸でボケるが、係の者は天然にボケているので、マスターの及ぶところではないのである。
それはともかく、今夜は最近にしては珍しく落ち着いている。Oさんとマスターの会話が店中に響いている。
「・・・マスターはスマホ持ってないんですか?凄いですね・・・」
「スマホどころか、ガラケーも持ってませんね。持っているのはテレホンカードとトランジスタラジオぐらいですよ」
などと時流に遅れていることを自慢しているが、確かに今時テレホンカードを持ち歩いている人は希少だし、トランジスタラジオなんて若い人は知らないだろう。それを持ち歩いているのもすごいが、このままいくと、いつか時代遅れのトップランナーとしてテレビに取り上げられそうだ。その日が楽しみだ。
そうして静かに杯を傾けていると、声が大きく滑舌の良いミッキーさんが若手を連れて到着してOさんの隣に陣取り、Oさんと「お久しぶりですね」などと笑顔で楽しそうに挨拶をしている。続いて今夜も我らがHさんが到着し、マスターといつもの敗因分析にとりかかる。たまには勝因分析を聞きたいところだが、その分析も終わらないうちに、商社の勝者の方が来店である。
商社の勝者の方は、久しぶりである。A首相の件でショックを受けたのか、最近は来店の頻度が落ちている。勝者の方はシロアリ軍団と違って他に行くところがあるのは解るが、もう少しここに来なければならない。と酔った勢いでついつい叱咤激励してしまった。商社の勝者の方には申し訳ないことをしたと反省する。
すると、反省もさめやらぬうちに商社の敗者の方が来店する。商社の方は、勝者の方も敗者の方もともに久しぶりだが、今夜は敗者の方と会話となる(勝者の方はHさんと会話)。
久しぶりに話したが、この商社の敗者の方・通称しろあり大王は、大変博識の方だと改めて感じる。文学、落語やスポーツなどの世界で、違いが解り、そしてその違いを理路整然と説明できるのである。やはり、何度会っても凄いとしか言いようが無い方だ。
惜しむらくは女性に弱いようであるが・・・。