今夜も早めの5時半頃の往訪である。昨日のメインレースで超大穴が出たので、シロアリ軍団の中で誰か的中者がいないかと期待しての往訪である。
緊急事態宣言が明け、営業時間が延びてお客様の出足は以前の通り少し遅めになり、まだどなたも居ないので、嬉しいことにマスターを独占だ。
「昨日はどうでしたか?」
「流石に当たりませんでしたね。係の者は複勝当てましたけどね」
「他のメンバーはどうですかね」
「まだ会えてないからわかりませんが、また”惜しい惜しい”じゃないですかねぇ。Hさんなどもたぶんこれから来るんですぐわかりますよ。それはともかく、最近行商はどうなんですか?」
「あと2ヶ月で丸一年になるんですが、なかなか芽が出ません」
「そりゃあそうですよ。何だって芽が出るには時間がかかるんですよ。相撲だって3年先の稽古って言うじゃないですか」
「流石マスターですね。本当にマスターには頭が下がります。やはりマスターも日々稽古稽古ですね」
「冗談じゃありませんよ。私はぬるま湯が好きなんで、稽古なんかしませんよ」
確かにシロアリに稽古は似合わない。ぬるま湯の世界がいいなあ~と思ってしまう。マスターは人をぬるま湯に導く天才である。
「でも、そのように人を導くマスターは生まれ変わったら坊さんがいいんじゃないですかね。でもその場合何宗の坊さんなのかなのかなぁ。曹洞宗かなぁ」
「それは烏合のしゅうでしょう」
包丁の切れ味も鋭いが、この落ちはなかなか切れ味が鋭い。シロアリ大王に聞かせてあげたいと思っていると、奥の団体さんが到着し、さらに少し遅れてHさんの到着である。
恐る恐るHさんに昨日の結果を聞いてみると、やはり残念ながら的中はしていないとのことである。今回的中していたら久しぶりにボトルを入れてもらえるかと期待したがやっぱり駄目だった。あと可能性のあるのは、悶ちゃんと、浅●橋さんだが、その結果は次回の楽しみとしよう。