今夜は久しぶりにスーツを着て5時過ぎに往訪。カウンター奥に予約のお盆が2個あるだけの静かな店内である。
（マスター）「高校野球は慶応が優勝しましたよ。仙台育英かと思ってましたけどね。慶応は激戦区の神奈川県代表なんで優勝してもおかしくないけどね。」
「それにしても週明けから暇なんだよね。月曜日もシロアリばっかり、火曜日もほどんどシロアリでどこへ行ってもシロアリだらけ。今日の予約のお客さんも会社のお偉いさんなんだけど、中身はシロアリの方なんですよ。でもシロアリだけどお金は持ってるかな。」
（当方）「お金持っていると言えば、寿司竜のお客さんで一番持っている人は誰ですかね。あんまり持ってそうな人は居ないけど。」
（マスター）「超金さんかな。給料も退職金も良さそうだからね。」
（当方）「一番モテる人は？」
（マスター）「寿司竜のお客さんでモテる人なんて居るわけ無いですよ。いや、Oさんなんか案外モテるかな。」
（当方）「ヤサ男風のOさんより石川県のKさんのほうが野性味があってモテるんじゃないですかねぇ。」
などと、二人で勝手に人様のことを話題にしていると、予約のお客さんが到着。会社のお偉いさんなのに中身はシロアリということだが、見た感じはシロアリの雰囲気では無い。どちらかといえばビッグモーター系の雰囲気を醸し出す方で、シロアリが幅を利かしている最近の寿司竜ではむしろカブトムシ系に属する方である。
「次は社長ですね」などとマスターに水を向けられても「ならない、ならない」などと一応謙遜しているが、ほとんど寿司竜開店当時からのお客さんのようだ。
そして、そこへシロアリ代表の大王が到着。
高校野球で慶応高校が優勝した話題になるが、「慶応高校が優勝したけどなんかすっきりしないね。やっぱりあんなエリート軍団が優勝しちゃだめですよ。何で清原の息子が居るんですか！清原の息子はPLに行かなきゃ駄目じゃ無いですか！！」
なるほど。大王のことばで、慶応高校の優勝になんとなくもやっとしている理由がわかった。シロアリにないものを全て持ち合わせているエリート軍団の優勝に嫉妬しているのだ。
我々が応援するのは、競馬で一時期名を馳せた103連敗のハルウララのように、勝利に縁のないものたちなのだ。
しかしネットで調べてみると、競馬の最多連敗は192連敗のマイネアトリーチェという馬だそうである。騎手では浦和競馬に所属する折笠豊和ジョッキーの810連敗らしい。負けても負けても走る機会に恵まれるというのも人徳（馬徳）なのか。やはり、寿司竜にはさっそうと髪をなびかせるイケメンより、そういう馬や人が似合っているのである。