お盆休みを挟んで久しぶりの往訪。全ての席に予約のお盆が置かれており、今夜は忙しくなりそうだが、そこに板前も係の者もいつもと変わらず元気である。
(当方)「お盆休みは温泉とかどこか行楽に出かけたんですか?」
(係の者)「二人で仲良く大井競馬場に行きました。楽しかったですよ。」
おお!”二人で仲良く”などという言葉が出るとは一体どうしたことだろう。このお盆休み中に、何かあったのだろうかと探る間もなく続々とお客さんが来店。最初は青森からのお客さん、次はそこに板前と同じマンションで共に管理組合活動で苦労したというお客さん、さらには仲の良さそうな同僚とおぼしきお客さんなどである。
だだでさえ忙しいのに、こういうときに限ってどんどん電話が入る。随分呼び鈴が鳴った後でやっとの思いで係の者が電話に出ては「満席です」とお断りのお詫びをしている。語り口からして、大王からの電話もあったようだ。
そうした中、ウニ納豆など手間が掛かる料理を注文するお客さんなども居て、いつもならイラッとするそこに板前であるが、今夜は係の者に掛ける言葉が優しい。
「今(作業を)頼んでも大丈夫かい?」などとのれんの奥の係の者にやさしく声をかけるのである。
随分長いこと寿司竜に通っているが、こんな言葉を聞いたのは初めてだ。背中がむずがゆくなる。
お盆が過ぎても暑い日が続くが、外だけで無くお店の中もやけに暑い寿司竜である。