寿司竜日記 2023年2月10日(金)雪のち雨 雪を溶かしてやって来る

今日は朝から雪・・・それが午後から雨になった夕方5時過ぎの往訪である。まだ開店間もなくどなたもいないので、久しぶりにマスターとじっくり会話である。

「さっき外に出てみたら、雪で人通りも少なく客足が心配だけど、昨日も暇だったなあ。大王と金融に超詳しい方だけでしたよ。」

「最近はいつも混んでいるのに、珍しいですね。でも金融に詳しい方も結構お越しいただけてますね。週一回ぐらいお見えになってますか?」

「そんなにはないですね。月1回ぐらいですよ。シロアリと違って行くところが沢山あるんで。でも他に行くところが沢山あるのに、うちに寄ってくれるのはホントありがたいですよ、シロアリでない方は貴重なんで。」

「そうでしょうね。確かにご接待含め色々な先から声は掛かるでしょうにね。うらやましい。話は変わりますが、1月はHさんは勝ち越しだそうですよ。凄いですね、その日たまたま勝ち越しって言うのじゃなく、土日ごとに何レースもやって、その月トータルが黒字ですからね」

「もう、惜しい惜しいのHさんなんて言えません。私なんて1月は75%なんで、足下にも及びません」

「そういえば、先日ようやくマスターお勧めの落語、文珍の”老婆の休日”をユーチューブで聞きましたよ。確かに面白いですね。」

「でしょう。本当に文珍は最高ですよ!」

などと会話は続くが、今夜は悪天候のせいか、珍しく空席確認の電話もない。

「それにしても、もうお店を出して、30年でしたね。当時はお客さんが皆人生の先輩だったでしょうが、今はもう皆後輩だらけですね。先輩と言えば引きずりさんだけですもんね。」と引きずりさんの話題となるが、考えてみると非シロアリのお客様も貴重だが、人生の先輩のお客様というのも今となっては貴重である。引きずりさんはいつもマスターにいじめられているせいか、最近は少し浮気気味だが、マスターに代わって感謝の気持ちを込めて、最近礼文島で販売し始めた礼文島の水を使った泡盛の小瓶を引きずりさん宛にと係に託す。

そこへ男女の二人連れが来店。

係の者が、「いらっしゃいませぇ!この天気の中をありがとうございますぅ!!」などと感謝の声を挙げると、「雪を溶かして来ましたぁ~。」となかなか素晴らしい台詞のお客様で、一番奥に座り、楽しげにお寿司をいただく。

そうこうするうちにようやく電話が鳴り、マスターが「これはHさんだな」というとまさしくその通りで、Hさんが来店したかと思うと、さらに又電話が鳴り、「これはミッキーさんだな」というと、まさにその通りで、ミッキーさんが来店する。

店内が寂しかったのは昨日だけで、だんだん店内が賑やかになってくるのは嬉しい限りだ。

お客さんが雪を溶かしてやってくる、雪にも雨にも風にも負けない、宮沢賢治のような寿司竜である。

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