今夜は都営新宿線沿線で用事を足した後、ひっそりと往訪である。6時頃の到着であったが、奥にお盆が一つ置いてあり、少し離れた手前の席に案内される。しばらくしてその奥の席に金融に超詳しい方が到着し、さらに暫くして一番手前に税務に詳しいMさんが到着である。
皆一人で来て、それぞれが離れて着席する今の時代ならではの光景で、思わず京都鴨川の堤防を思い出した。京都鴨川の堤防は、夕暮れ時はアベックでいっぱいになるが、その席の埋まり方はまずは2組がそれぞれ離れて座り、次に来たアベックはその中間に座り、さらにその次のアベックはまたその中間に座り、最初のうちはお互いに離れていたアベックの距離は最後には隙間がないほど近くなるのであるが、ここ寿司竜でもその動きである。
そして、いよいよ次のお客様Hさんの来店し、Mさんと私の中間に着座する。めでたく4名均等にディスタンスを取っての着座である。
京都の鴨川はアベックでラブラブの世界なのに対し、ここ寿司竜ではなんともいえないおじさんの世界であるが、おのおのがマスターとアベックということなのかもしれない。
誰とでもアベックとなる偉大なマスターならではの光景である。
ところで「アベック」であるが、これは既に死語で、今は「カップル」というらしい。1960年代から80年代に使用されていたが今はほとんど使用されず、この言葉を使うのは50~60歳台の人間とのことであり、筆者の年齢もばればれである。
ちなみに「アベック」と「カップル」の違いは次の通りらしい。
●「アベック」はフランス語、「カップル」は英語、「アベック」は目の前にいる2人に対して使用する言葉、離れた場所にいる2人を指す場合は「カップル」、「アベック」は同性同士では使用できない、「アベック」には同じ行動をするという意味がある、「アベック」はおつきあいしている2人とは限らない●
それにしても早く緊急事態宣言が解除され、できればマスター以外の「アベック」でお寿司を楽しみたいものである。