歯医者のあと5時過ぎに到着。いつもの”寿司竜”のスタンド電飾看板に灯りがともっているのを見て階段を降りようとすると、ちょうど階段の踊り場で”そこに板前”が”石原裕次郎の俺は待ってるぜ！”のポーズでたばこを吹かしており、ギロッ！とこちらをにらんで「お待ちしておりました」と挨拶される。
「待っていられても困るぜ！！」と思いながらも、今夜は予約が殺到する中で最後の一席を許されての入店だったので顔には出さず、「ありがとうございます」と言って入店。満席との言葉通りカウンター席すべてに予約のお盆が置かれている光景は美しい。
光景は美しいが、話題はいつものとおりで何の美しさも無い週末の競馬の話題。
（マスター）「またまたみんなで競馬に行ったんですけど、Wさんが惜しかったんですよ。直線入ってこれは間違いないという瞬間に最後鼻差差されて駄目だったんですよね～。馬券が駄目なのはいつもの通りなんだけど、聞いて下さいよ。リバースレーの弟が新馬戦で勝ったんですよ、一番人気に応えてね。勝つ馬はあっさり勝つんですよねぇ。何でWさんの馬だけ走らなかったんですかねぇ～。」
などと今夜は久しぶりにWさんが話題の主役になっている。
すると、大勢で予約のOさん一団が来店。話しぶりからすると、このOさんは随分と古いお客さんのようだ。Oさんが「自分は筑前煮が嫌いなんだよね」などとどうでもよいことを言っているのだが、マスターが是非Oさんに披露したいネタがあるらしく、
「ねえねえ、いいネタがあるんですよ・・・・・・魚じゃ無いですよぉ・・・」
などといいながら相変わらずくだらないネタを自慢げに話している（が、今回はまあまあ面白い。キーワードは「大人3枚お願いします」）。
今夜はOさんの一団がメインで、その一団は楽しげに盛り上がっているが、かたやHさんもミッキーさんも居ない、寿司竜らしからぬ静かなひとときである。